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ゴーシュ音楽院からのメッセージ

ーシュ音楽院の2階にミニホールを作りました。プロの演奏家を招いてコンサートを開くためではありません。生徒の皆さんにどんどん使っていただきたく、だいぶ無理して作りました。 楽器の練習を始めていくと、幾度か壁にぶつかることがあります。始めて間もないころ、楽器を触るのがただ嬉しくて、煮物を火にかけている間にでも楽器を出してきて弾いてみたりします。 でも、、、 2~3年経つころに第一の壁が立ちはだかります。 ある程度は弾ける(吹ける)ようになったが、もっと上手にならないものか。いや、そもそもうまく演奏できるようになるのだろうか? 原因はともあれ、「マンネリ」ってやつですね。 講師は生徒が飽きないように、基礎練習に加えて好きな曲を弾かせたり、いろいろな工夫をしてします。 それでも、、、生徒は飽きてしまいます。(まれに強靭な意志をもって、ご自身で飽きない工夫されている方もいますが。) これは生徒自身が「向上心がない」とか、「努力が足りない」とか、「飽きっぽい」とか、そういうことではありません。みなさんやる気を持ってはじめたのですからそうではないんです。 どんな人でも飽きはきます。問題はその状態をどう乗り越えるか。乗り越えるエネルギーをどう蓄えていくか?でしょう。

は本人が自分の力で乗り越えなければならないのは言うまでもないですが、しかし、乗り越 えるためのエネルギーを持てるように環境を整えることは講師の役目でしょう。講師の仕事は単に演奏技術を教えるだけでなく、生徒のやる気を引き出す環境を 作ること、これがとても大事です。 「環境を作る」ための主なものが「小さな発表会をたびたび行うこと」だと私は思っています。大きな舞台でのよそ行きの、、ではなく、普段着で参加できるような小さな発表会。現在練習している曲をみんなで「弾き合う」という気楽な感じで私は「弾き合い会」と好んで呼んでいます。(音大在学中はいろんな科の生徒がいたるところでやってました) 人前で演奏すると、大きな舞台も小さな舞台も関係なしに緊張して、大恥かいたりいろいろあるんですが、それも長い人生においてはアクセント。(大人になるとなかなか恥もかけませんから貴重な体験かも?) でも時には自分でもニンマリするくらいうまく弾ける時もあります。他の人が上手になっているのを聴いて感心したり、人の失敗をハラハラドキドキしながら聴いてみたり、「あの人が弾いた曲、今度私も弾きたい!」と思ったり。 これ、大変な刺激になります。プロの演奏会に行った時よりも感激するくらいです。

の刺激がなによりやる気につながります。 毎週1対1の個人レッスン、講師と自分だけの世界ではどうしても飽きてしまいます。小さな発表会を重ねることで、音楽の世界は決して「上手」「下手」だけで語れないことに気づいていくでしょう。 「自分もあの曲を!」「あんな音をだしたい!」と思うようになれば、講師が生徒を飽きさせ ないようにあの手この手を尽くさなくてもよい域に達したと思ってよいですね。 そこから先は大丈夫。放っておいても「次、この曲弾きたいです」と、まぁいろんなレベルの曲を提案してくれるようになります。いままで退屈に思ってさぼっ ていた基礎練習も積極的に行ってくれます。(←講師の目線でゴメンナサイ)カレーを煮込んでいる間にブラームスの練習復活!って訳ですね。 仲間と発表したりされたりを繰り返すことが、幾度か訪れる壁を乗り越えるエネルギーになります。楽器の練習は孤独で地道な作業です。だから練習にも工夫が 必要なのです。小さな発表会こそが、みなさんが楽器の練習を続けていくための核だと思っています。 ゴーシュ音楽院ではミニホールを利用して、各科目の皆様が楽しく集えるように環境を整えてまいります。

ゴーシュ音楽院代表

大友裕子

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